矯正治療について

Q.
矯正治療中には、痛みはありますか?
A.
歯列矯正治療では、1本1本の歯を理想的な位置へ動かしていきます。それに伴い、装置装着後の約8~10時間後に、個人差はありますが歯が浮くような違和感や、噛むと痛いといった症状が現れることがあります。これは歯が動き始めているサインです。当院では治療初期に0,305㎜のワイヤーを使用することで、とても弱い力で治療を進めています。
Q.
歯並びを治すために、手術が必要な場合もありますか?
A.
顎の成長方向をコントロールできる小児矯正と違って、成人の矯正では、土台である上の顎と下の顎の骨自体に大きな不調和がある場合がございます。歯の移動だけによる治療では限界があるため、手術が必要になることも。口腔外科の先生と連携をして、チームアプローチで治療を進めていきます。咬み合わせとともにお顔の変化が良好になることもメリットです。しかし、「手術をしてまで矯正治療は?」という方でも手術をせずに満足していただき、治療を終了して行く方もいらっしゃいます。
Q.
歯が無いところがありますが、矯正できますか?
A.
すでに虫歯などで歯を抜いてしまっている成人の方、永久歯欠損という子どもの方もいらっしゃいます。しかし、矯正治療では咬み合わせを治すために健康な歯であっても抜歯を必要とすることがあるので、すでに歯のない場合は矯正治療のために抜いたものとしてスペースを閉鎖することも。また、歯がない部位の両脇の歯が倒れはじめていたら咬み合わせが変わり、倒れた歯が歯周病になったり、顎の関節に負担がかかる場合もあるので要注意です。
Q.
永久歯を抜いて矯正治療をすることもあるのですか?
A.
乳歯については、永久歯の萌出を障害していたり、今後の歯並びに悪影響をおよぼす場合等は抜歯することがあります。永久歯については、顎と歯の大きさ、上と下の顎のバランスの不調和や口唇が閉じづらいなどの症状を改善するためにやむをえず、抜歯をお勧めすることがあります。抜歯には賛否両論ありますが、それぞれのメリットやデメリットを説明した上で、患者様のご要望をおうかがいしながら治療をすすめてまいります。
Q.
虫歯を治してから相談に行った方がいいですか?
A.
矯正治療を始める前に虫歯を治療しないと矯正装置がつけられなかったり、痛みなどの症状がある場合は治しておく必要があります。しかし検査の結果、虫歯の治療が必要の無い場合、あるいは治療前にかぶせてある冠や詰め物は現在の悪い歯並びの状態に合わせて作られているため、矯正治療の途中、あるいは終了後に作り治さなければなりません。いずれにしても検査の結果と治療方針によりますが、提携している優秀なドクターをご紹介し、一般歯科の先生との連携で治療をすすめてまいります。
Q.
気になっている所だけに装置を付けて治療できますか?
A.
咬み合わせは上下の歯並びの関係で成り立っていますので、基本的に歯列矯正は上下全ての歯に装置を付けて理想的な位置まで動かしていかなければなりません。そして良好な咬み合わせでなければ後戻りが生じる可能性が高くなります。また100%理想的な歯並びにならないかもしれませんが、補綴(かぶせ)をすることが前提となった矯正の場合は、一部のみに装置を付けて治療する場合があります。
Q.
矯正装置によって発音がしにくくなりますか?
A.
ラビアル(表側)矯正でもリンガル(裏側)矯正でも、装置の付け始めは違和感があり、一時的に唇や舌の動きが不自然で発音しにくくなります。しかし、どのような装置でも時間と共に慣れて、発音も元どおりに回復します。表側で0~3日、裏側で10日~2週間くらいが、一般的な目安です。
Q.
顎関節症は矯正治療で治りますか?
A.
人によっては頭痛や肩こりなどを伴い、お口を開けると顎の関節で音がする、痛み、開きにくさから不調和を感じる顎関節症。顎関節症と歯並びの相関関係はまだ不明な点が多いのは現状で、軽度の顎関節症はそのほとんどが日常生活の異常な「くいしばり」や「咬み癖」、そして態癖が原因と考えられますので注意が必要です。しかし、歯並びを改善して咬み合わせを安定させることは、将来的に顎の関節にとってプラスになることは間違いありません。当病院では矯正治療の治療前・治療中・治療後に必要があれば、顎関節の精密検査を行い、一般歯科や口腔外科の先生とのチームアプローチで治療を進めていくことがあります。
Q.
器具の消毒が心配です。
A.
当院では治療に使用する器具の滅菌消毒には万全を期しており、一人一人完全消毒済みか、使い捨てのものを使用しておりますので、ご安心ください。
Q.
転勤や進学などで引っ越しをしても治療は続けられますか?
A.

転勤や進学などで時間的、距離的に当病院への通院が困難と判断した場合には転居先によっては、治療技術、治療費など、しっかり継続治療を行っていただける転医先をご紹介させていただける場合があります。矯正治療はできる限り治療を開始した矯正歯科医院で続けることが望ましいですが、あらかじめ可能性のある方は、早めにご相談ください。